1 全体のイメージ

まず、全体のイメージを確認します。

 

下図は、標準図の外壁線・間仕切り線・耐力壁を基に、検討図としました。
また2線の矢印は耐力壁のラインを示しました(位置的には、ズレています)。
点線の矢印は、耐力壁線の延長線です。

 

伏図の検討01

001-12 伏図の検討 01

 

まず、平面図をブロックに分けて考えます。ブロックの大きさは、最小で6帖くらいの空間でいいでしょう。

 

今回は、以下のように想定しました。

 

ブロック1 LDK部分
ブロック2 トイレ・洗面脱衣・廊下の一部
ブロック3 和室4.5帖
ブロック4 浴室・玄関・廊下の一部
ブロック5 和室8帖

 

2線矢印の耐力壁の線を書く事によって、大体の梁の位置が決まってきます。

 

ブロック2、ブロック4は横・縦の通りの間隔が最大でも「1間(6尺)」です。
この場合、大きな梁はいりません。柱と同寸の梁材で架けれます。
この部分は架ける方向を注意するだけです。

 

ブロック1、ブロック3、ブロック5には最大で「2間」の間隔があります。
ここには、大梁を架けて屋根荷重を支えます。

 

それでは、ブロックごとに梁の掛け方を考えていきます。

2 ブロック1 LDK部分

ブロック1は16帖の空間です。半分の8帖に分けて、考えていきます。
耐力壁線が、「三通り」、「五通り」に通っています。

 

「五通り」より上を考えれば、「三通り」、「五通り」に大梁を書けるのが自然になります。
梁間隔が「一通り」、「三通り」、「五通り」になり。1間間隔になります。
梁間隔の最大幅は1間ですので、この配置でいいでしょう。
また、「三通り」、「五通り」と「り通り」、「わ通り」の交点には管柱があります。
梁の両端を柱で受ければ、梁にかかった荷重を最短で柱に逃がすことが出来ます。

 

次に、「五通り」から下を考えましょう。
伏図を考える重要なポイントは「梁をどう組み合わせるか」です。
ここで、LDK部分に梁を書けた場合、どのような架け方があるか、見てみましょう。

 

各図面に梁の位置と、「5通り」にかかる梁の荷重の大きさを表現しました。
各図の右側が、梁にかかる荷重を表現した図です。数値は面積を表しています。
*単位1の面積は1.5尺×1.5尺の面積としています。3尺角で4です。

 

構造計算をしなくても、目視で荷重の大小が分かります。

 

伏図の検討02

001-13 伏図の検討 02

 

伏図の検討 02 の図は、大梁を「三通り」、「五通り」、「六通り」、「八通り」に大梁を架けています。

 

大梁1の負担面積は24、大梁2~4の負担面積は19です。
各大梁は両端に柱があり、一番自然な梁の架け方です。

 

 

 

伏図の検討03

001-14 伏図の検討 03

 

伏図の検討 03 の図は、大梁を「三通り」、「五通り」、「七通り」に大梁を架けています。

 

大梁1~3の負担面積は24になります。
大梁1、2は両端に柱がありますが、大梁3は柱がありません。そのため枕梁を付けるか、大梁3を受けるための受け梁を「り通り」、「わ通り」に架けます。
受梁を配置することは、材料が増えて単価が上がることを意味します。

 

 

 

伏図の検討04

001-15 伏図の検討 04

 

伏図の検討 04 の図は、大梁を「三通り」、「五通り」に架け、大梁3を「を通り」に架けています。

 

大梁1の負担面積は24ですが、大梁2は大梁3の負担分の半分と大梁2が負担する分が掛かります。負担面積は32になります。
また、大梁3は両端に柱がありません。「五通り」は大梁2があります。大梁2は大梁3以上の梁成が必要です。
「九通り」は枕梁を付けるか、大梁3を受けるための受け梁を「九通り」に架けます。

 

大梁2は、検討図 02の負担面積に比べると、1/3増えています。

 

このような架け方は、時々見受けられます。大梁を架け、その鉛直方向に梁を架ける方法は、大工さんなどによく見られますが荷重が大梁2に集中しますので、あまり良い方法ではありません。

 

 

 

伏図の検討05

001-16 伏図の検討 05

 

伏図の検討 05 の図は、大梁を「五通り」に架け、縦方向「る通り」に大梁1、3を架けています。

 

大梁1、3の負担面積は24ですが、大梁2は大梁1、3の負担分の半分と大梁2が負担する分が掛かります。負担面積は40になります。
大梁2は検討図 04 に比べるとさらに成を大きくしなければなりません。
また、大梁1、3は両端に柱がありません。
「一通り」、「九通り」は枕梁を付けるか、大梁1、3を受けるための受け梁が必要になります。

 

大梁2は、検討図 02の負担面積に比べると、70%増えています。

 

検討図 04 の変形ですが、お勧めできません。

 

 

 

伏図の検討06

001-17 伏図の検討 06

 

検討図 05 の大梁1、3が「一通り」、「九通り」で柱で受けるようにした発想での架け方です。

 

しかし、大梁2の荷重はさらに増え、負担面積は50になります。これは検討図 02 の大梁2の負担面積からすると2倍を超えます。
このようは架け方は止めましょう。

 

 

 

以上の検討により、やはり最初の 検討図 02 の架け方が最善であることが分かりました。

3 ブロック2 トイレ・洗面脱衣・廊下

ブロック2はトイレ、洗面脱衣、廊下の一部を含む6帖の広さの空間です。

 

ここでは間仕切壁の間隔が最大でも1間です。なので柱と同寸の最小の梁材を使用出来ます。
大梁を架ける必要はありません。

 

ここのブロックは、他のブロックで大梁を架けた後に、梁の架ける方向を検討しましょう。

4 ブロック3 和室4.5帖まわり

ブロック3の梁の掛け方を検討しましょう。

 

伏図の検討07

001-18 伏図の検討 07

 

伏図の検討08

001-19 伏図の検討 08

 

ブロック3は和室4.5帖まわりです。ここは最大で1.5間(9尺)の梁間隔があります。

 

図面の梁検討図の1から4までの図面に、それぞれ大梁を架ける位置とその大梁が受ける小屋荷重の負担面積を記入しました。
負担荷重は1から4まで、同じになっていますので、梁の位置をどこにすればよいかを検討します。

 

梁検討図1 大梁位置 「ち通り 六~九」
ここに大梁を架けると、梁の両端に柱がなく、「六通り」・「九通り」に枕梁が必要になります。

 

梁検討図2 大梁位置 「と通り 六~九」
ここは大梁を架ける両端に柱があります。負担荷重が最短で柱に流れます。もっともよい梁の位置です。

 

梁検討図3 大梁位置 「八通り へ~り」
この位置はブロック1の大梁4の通りと同じになりますが、「へ-八」側には柱がありません。枕梁で受けることになります。

 

梁検討図4 大梁位置 「七通り へ~り」
ここの位置は「へ-七」には柱がありますが、「り-七」には柱はありません。枕梁で受けることになります。

 

 

 

以上を検討してみますと、梁検討図2の位置が最も良いことが分かります。
またこの「と通り」には、「と-一」、「と-三」、「と-五」に柱があり「一通り」まで梁をつなげることが出来ます。

5 ブロック4 浴室・玄関・廊下の一部

ブロック4は、ブロック2と同じく、間仕切壁が一間間隔ですので、大梁はいりません。
「に通り」には浴室-玄関の間仕切りの耐震壁があり、地震力が伝わるように、「に通り」にかかる梁を「一通り」から「九通り」まで通すことは、すでに耐力壁の検討のところで記載しました。
この空間も、梁の掛け方で方向を検討すればよいと思います。

6 ブロック5 和室8帖まわり

ブロック5は和室8帖まわりになります。

 

梁の位置の検討図を2枚、下記に示します。

 

伏図の検討09

001-20 伏図の検討 09

 

伏図の検討10

001-21 伏図の検討 10

 

このブロックでは、すでに位置が決まっている梁があります。大梁1、2、3です。
ここで大梁1から説明をします。

 

大梁 1
この梁は、床の間の床柱「ほ-七」は、上棟時には入れない条件でした。
ほ通りは、床の間・押入の間仕切りもあり、「ほ-五」、「ほ-九」に柱があります。
これらから、「ほ 五-九」に大梁を架けます。

 

大梁 2
この梁は和室の外部に面する巾9尺のサッシ上になります。
9尺の柱間隔がありますので、大梁が必要です。よって「九 ろ-ほ」の大梁が必要です。

 

大梁 3
この梁は浴室と玄関の間の間仕切り壁にある耐力壁の力を小屋梁面に伝えるために、梁の通りを通したい部分です。

 

以上の大梁1~3は、この位置で決定として扱います。

 

残った空間は「い-に」通りと「五-九」通りに囲まれた、6帖の大きさの空間です。
ここに梁を架ける方向として、検討図は「は通り」、「ろ通り」の2つで検討します。

 

横方向の「六、八通り」、「七通り」に架けるには、大梁3に負担荷重が大きいためと、荷重の流れが、一次梁→二次梁→三次梁と長くなりお勧めできる梁の架け方ではありません。

 

大梁 4 「は通り」の検討
大梁4を「は通り」に架けるとなると、「五通り」も「九通り」も柱はありません。
「五-は」に柱がないので、「五-ろ」、「五-に」に枕梁が必要です。また「九通り」には大梁2があります。梁の両端が梁で受けているので、あまりお勧めできません。
また、大梁2の梁の負担荷重は「20.5」となっています。

 

大梁 4 「ろ通り」の検討
大梁4を「ろ通り」に架けると、ここの通りは、「五通り」にも「九通り」にも柱があります。負担荷重についても大梁2が負担する面積は、「は通り」に架けるより少なくなります(14.5)。
「三通り」~「五通り」に梁を通せば「一通り」まで梁が通り、構造的にも良くなります。

 

よって、大梁4は「ろ通り」に架けます。

 

 

 

これで梁の検討が終わりました。

 

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